Fate/Zero #25の視聴感想です。
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汚泥。
大災害。
愉悦。
救い。
その後。
僕はね、正義の味方になりたいんだ――
■スタッフ
原作:虚淵玄(ニトロプラス)・TYPE-MOON/監督:あおきえい/キャラクター原案:武内崇/キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦/色彩設計:千葉絵美/美術監督:衛藤功二/撮影監督:寺尾優一/3D監督:宍戸幸次郎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:ufotable
■キャスト
衛宮切嗣:小山力也/セイバー:川澄綾子/アイリスフィール:大原さやか/遠坂時臣:速水奨/アーチャー:関智一/言峰綺礼:中田譲治/アサシン:阿部彬名/ケイネス・エルメロイ・アーチボルト:山崎たくみ/ランサー:緑川光/ウェイバー・ベルベット:浪川大輔/ライダー:大塚明夫/雨生龍之介:石田彰/キャスター:鶴岡聡/間桐雁夜:新垣樽助/バーサーカー:置鮎龍太郎
■OP&ED
OP:『to the beginning』Kalafina
ED:『空は高く風は歌う』春奈るな
■公式
Fate/Zero-アニメ公式サイト- / twitter #fatezero
■アバン
令呪の絶対命令が……
セイバーの願いを撃ち砕く……
■Aパート
セイバーの意思を蹂躙する強制力は、残存魔力を凝縮し収束した光の粒子を解き放つ!
――エクスカリバー(約束された勝利の剣)
たった三度の命令が縁。信頼どころか言葉さえ交わせなかったのに切嗣の真意を測れる筈もなく。
とはいえあまりにもセイバーには理不尽な仕打ちですよね。かといって聖杯の本質について懇切丁寧に説明する時間はなく、そもそも義務も必然も切嗣は感じていないでしょうけど(ぉ
――人の気持ちが分からない王
そう揶揄した臣下の言葉が、ランスロットの狂気が、余計にセイバーを苛むようです。
手にした剣から放たれる黄金の輝きが、聖杯という希望を呑み込み絶望へと染めていく……
消し飛んだホールのムコウ、夜空に浮かぶ漆黒のタイヨウ。
それは聖杯の中で見た……アンリマユ!?破壊したのは聖杯であって聖杯でないあくまでも器!!
絶望に包まれる切嗣の目の前で、汚泥が零れ落ちる…天空から大地へ……
呑み込まれていく…全てが……希望も絶望も、愚かな願いさえも………
イリヤはアインツベルン城で異変を感じ取ったのでしょうかね。
聖杯として創られた故に、聖杯と化したアイリを傍らに感じていたのでしょうか……?
幼いイリヤを襲うのは運命の不安、そして大好きな切嗣への心配と信頼でした。
イリヤの中での切嗣は間違いなく“優しいお父さん”だったのだと思います。
おぉ!?まだ命があったのか雁夜のおじさん!!
最後の力を振り絞るように桜を救うために……
……???
凛と桜が再会だと?葵が優しげな笑みを浮かべて??
「ありがとう!カリヤオトウサン」
それはありえない結末。決して実現することのなかった妄想。全てがユメ…マボロシ……
「バカな人……お爺さまに逆らうから」
間桐の家の者としてスッカリ調教済み。夢も希望もないことを理解しています……(哀
そして雁夜のおじさんは幸せな夢に包まれて蟲の中に沈んで行き……(南無
頭を撃ち抜かれた筈の綺礼が生きているだとぉ!?しかもギル様が瓦礫の中から掘り出したって……どんだけお気に入りなんでしょう(苦笑
っていうか、汚泥に呑み込まれながらも侵食しきれず吐き出されたギル様って……まぁこの我の強さは消化不良もしくは逆侵食されそうだけどネ(笑
その結果が受肉とはなぁ。イスカンダルが望んだことを認め合ったギル様が実現するとは皮肉というかなんと言うか……
さらにパスが繋がっている綺礼もその恩恵を受けて不条理な復活を遂げたようで……(汗
運命の悪戯に勝者となった綺礼の願望を聖杯が実現したのか目の前に広がる光景は……まさに地獄絵図!!
狂ったように笑い出す綺礼の心を占めるモノはまさに――愉悦!
邪悪!鬼畜!破滅!嘆き!それらが魂を揺さ振るような歓喜を与える。
厳格で在り続けた父・璃正の胤とは思えぬ歪んだ魂のカタチ。確信を得た答えという結果。
しかし……
答えを得ても、結果を知っても、道筋も経過もないのなら納得は出来ない。
愉悦に至る過程を模索し続けようとする綺礼を改めて退屈しないお気に入りだと確信した変態ギル様なのでした(ぇ
その時視線の先に幽鬼の如き切嗣を捉え臨戦態勢!未だ興味は薄れず!?
しかし、当の切継は心ここに在らずというか、彷徨い生存者を探すように……
そこに天敵の姿はなく、ただ不快な侮蔑すべき搾りカスに見えたようですね。
救われたオトコノコの心に深く刻まれたオトコの姿……
救ってくれたのに救われたように喜ぶオトコの姿……
数の論理で救ってきた切嗣が“ひとりでも”と救った少年。後の衛宮四郎ですネ。
カウントダウンがとうとう“00:00:00”となりました。
二人が出逢いZeroに至ったFateは終らない夜へと時を刻み始めます。
■Bパート
戦いきったウェイバーはマッケンジー邸に戻っておりました。
アレクセイさんのことは何とか誤魔化してますね。なんにしても夫妻が楽しそうなのが救いです。
そしてウェイバーは“孫”として、“旅”をするための資金を溜めるまで滞在を願い出たりして。
お爺さんの願いを聞き届けつつ、イスカンダルの想いに応えようとしてますね。
ウェイバーの部屋にはアイツの存在感が満ちていて。
アイツが読んでいたイリアス、世界を現した地球儀、一度も開封されなかった……アドミラブル大戦略。
ただ“くだらない”と切り捨てるのではなく、まずはやってみること。ホントにウェイバーはいい出逢いを果たしましたね。
墓地では葬式が……言峰綺礼が神父として取り仕切っています。
傍らには気丈に振舞う凛の姿が……どうやら時臣の葬式のようです。
時臣は万が一を想定し相続の準備もしていたようで、遠坂の魔道は滞りなく段階的に凛へと受け継がれるようです。禅城の家の前で凛と時臣会った時のことが思い出されます(悲
葵も死んではいなかったようですが、精神的に病んで夢の中の住人に!?
名は体を表すと言いますが……幼いながらも当主として毅然とした態度を貫いています。でも、これはキツイですよ…幾ら魔道の生まれとはいえ凛はまだ小学生なんだぜ!?
更なる追い討ちは門出の品として綺礼が渡したアゾット剣!これはオマエが時臣の血を吸わせたモノだろうが!!
敬愛する父の形見を手渡され流石の凛も感情が決壊。更にはアゾット剣の真実を凛が知ったときは……
悲しみに暮れる目の前の姿と将来絶望に包まれるだろう瞬間を夢想して綺礼は愉悦に満たされる!(酷
そこは……戦い倒れた戦士たちが折り重なる丘……
この光景を地獄と言わずなんと言うのか…ここには栄光も栄誉も誇りもなにもない……
今確かにここにある感情はただ一人傷付き倒れそうになりながらも生きている騎士王の心だけだろう。
それは後悔だけなのだろうか……
狂気の道に堕ちるまで追い込まれたランスロットの想いは……
騎士ランスロットと王妃ギネヴィアの物語。理想の王としてではなく、アーサーとしての感情を裁きを求めていた。しかし国を王妃を朋友を想うほどに王は裁くことは出来ず……
まさかここでランスロットの心を語るとは思ってもみませんでしたね。
それにしても……騎士王と湖の騎士の想いは擦れ違いすぎです!
一の臣下の気持ちも理解出来ないほどにアーサー王は追い込まれ英霊となってしまったというのですか!?
臣下の誰もが英雄王を認め仕えていたというのに……アーサー王は後悔し歴史を遣り直そうとするなんて!!聖杯は要らないということじゃないか……(愕然
聖杯を持ち帰れなかった切嗣にアインツベルンは森の結界を開くことはなくイリヤに会うことは出来なくなり、あの大災害の日に助けた少年・士郎を養子に迎えたそうです。
こうしてイリヤの中に切嗣への、そして士郎への、屈折した想いが募っていったのですね(汗
っていうか……衛宮邸改装の面々って藤村組の人たちで、竹刀片手に暴れてる女子高生はタイガーですネ(笑
――5年後
縁側でのこのシーン。
Zeroでもstaynightでも重要な場面ですよね。
切嗣が諦めかけた夢を、まだ何も知らない士郎が無邪気に引き継いでいく。
もちろんあの大災害で救われたことが士郎の中で大きな要因になっているわけですが。
なんにしても切嗣も士郎も本気でセイギノミカタになろうとしています。
だから……
死の直前のままに苛まれ続けるセイバーに光が降り注ぐ……
それはおそらく新たに英霊召喚を求めるモノで……
その相手はきっと……
――ケリィはさ、どんな大人になりたいの?――
――僕ね、正義の味方になりたいんだ――
それはきっと誰もが懐く見果てぬユメ。目の前の人を幸せにしたいから……
■OP
ここでKarafinaの『to the beginning』は反則でしょ!歌詞が嵌り過ぎなんだって!!
“オープニングテーマ”という表記も2期のというよりもstaynightの始まり的意味に取れますし。
ホントにZeroからstaynightに繋げる気で満ち満ちてるよっ!!
■アイキャッチ
うわっ!士郎とセイバーの一体絵ですよ!?
これまでの提供絵の中でも一際美しく、そして嬉しいサプライズかと♪
zeroに至りて始まりを迎えるに相応しいですね!
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
そうかぁ…こういう構成にしてたのか……
前回、ランスロットの想いをバッサリとカットしたことが各所で非難轟々でしたけど……ゴメンナサイというしかないですネ!(あはぁ
今回が最終回だったわけですが、最後まで輝いていたのはやはり綺礼でしょうね。
自身が求めていたものが愉悦であったと確信し、もうなんの躊躇いもなく己の欲を満たす喜びに酔いしれてるみたいですし(ぉ
しかし綺礼は壊れたような切嗣への興味はもう薄れたように見えましたが…まぁその実心の奥ではどうなんでしょうか。あれだけの執着を簡単に消せるものなのか……それが士郎への仕打ちに繋がったってことかな(ぇ
それにしても凛への仕打ちはあまりにも酷いですね。表面的には保護者として聖職者として兄弟子として振舞ってますけど……アゾット剣のくだりなんてゾッとしましたよ。愉悦の誘いって恐ろしいわぁ……(汗
だけど凛はがんばってる!頑張ってるよ!こんな変態神父に負けるな!!(ぉ
こんなに幼い凛が夢の住人になった葵の介護をし、遠坂の教えを守り、魔道をも極めていく……魔道の天才かもだけど、真の才能は“努力”だったのではないかと思えます。
綺礼が真綿で首を絞めるようなお遊びが凛を完璧超人にへと成長させたともいえるのでしょうね。きっとそれは綺礼の大きな誤算だったかなぁって。
んで。
セイバーとランスロットのすれ違いはねぇ……(汗
まぁギネヴィアのことを裁いて欲しかったというのは個人的なこととしても……
基本的に臣下が最高の王だと認めていたのに、亡国としてしまったからと全てを否定するのは王って……
――王は人の気持ちが分からない
否定の意味で捉えがちなこの文章、ランスロットの想いを聞いた後だと不思議と肯定の意味に感じます。
敬愛していると、尊敬していると、何処までも付いて行くと……
臣下の想いを感じ取ってくれていますか?という問い掛けのように。
まぁなんにしても。
セイバーにはきっと聖杯は必要ありません。
汚染された聖杯はもちろんのこと、真に万能の願望器だったとしても……です。
始まりがあれば必ず終わりはあり、終幕が悲劇だったとしてもソレまでの全てを否定することはないのだから。
そして……切嗣ですね。
セイギノミカタになろうとして、絶望の中を歩み続け、何も成す事が出来なかった迷い人。
最後に残したのは、切り捨てた夢を嗣ぐと言う者。絶望の中で救うことができた希望のカケラ。
切っても嗣ながったセイギノミカタはどんな風にカタチを変え成すことになるのか……
あぁステイナイトを見たくなってきましたですよ(笑
■総括
後ほど。
多分数日後になるかも…かも???
http://xxx2015.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
やっぱりFateシリーズ(というかタイプムーン作品全般)は素晴らしいね!とても良い時間をありがとうufotableさん!
なのに、アインツベルンが「あいつはお前を捨てて、わしらやお前の母を裏切った」と吹き込みやがったわけです。イリヤの性格が歪んだのも無理はありません。アハト翁は何気に臓硯並に質が悪いですよ。
ちなみに、セラとリズは、聖杯の器の失敗作として廃棄処分にされかけたのをイリヤが拾ったという経緯があります。イリヤは「気まぐれ」と言ってますが、本当は寂しかったんでしょうね...
三人の絆は、ファンディスクのhollow ataraxiaで詳しく語られています。これもアニメ化してほしいけど、さすがに難しいですよねー(汗)
>竹刀片手に暴れてる女子高生はタイガーですネ(笑
タイガーは、聖杯戦争の間、友人の家の酒屋から盗まれた高級ワインの酒樽を探して、連続猟奇殺人や爆弾テロが起きていた冬木の街を竹刀片手に駆け回り、迷い犬を保護したり、下着泥を捕またりしていましたw
そして、偶然出会ったウェイバーとの会話がきっかけで、教師を志すようになったんですよww
切嗣は、彼女にシャーレイの面影を感じて、かなり可愛がってました。
タイガーは、切嗣に惚れて不幸にならなかった唯一の女性なんですよ。
>だけど凛はがんばってる!
凛は、本当によくこんな最悪な環境で、真っ直ぐな人間に育ったもんですよ。あの状態から笑顔を取り戻した桜も凄いですけどね。あの姉妹は芯が強いです。
綺礼は、一応後見人の役目は真面目に果たし、凛に格闘術を教えたりもしてますが、きっとアゾット剣の一件のようなイヤガラセもしてたんでしょうね。こんなのが近くにいるだけで、普通は性格が曲がりますよ...
ちなみに、お金に執着がない綺礼が管理人をやった結果、遠坂家の財政はかなり厳しいものになりました。それでも一般人から見たら充分に大金持ちですが、宝石魔術という別名金食い魔術を使う遠坂にとっては、金欠状態です。財政の破綻は、綺礼にしては珍しくイヤガラセじゃありませんが、結果は同じですねw
凛は、両親の事を別にしても、あの外道神父を殴っていいですね!