Fate/Zero #23の視聴感想です。
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酒宴。
正体。
対界。
臣下。
王。
彼方にこそ栄え在り――
■スタッフ
原作:虚淵玄(ニトロプラス)・TYPE-MOON/監督:あおきえい/キャラクター原案:武内崇/キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦/色彩設計:千葉絵美/美術監督:衛藤功二/撮影監督:寺尾優一/3D監督:宍戸幸次郎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:ufotable
■キャスト
衛宮切嗣:小山力也/セイバー:川澄綾子/アイリスフィール:大原さやか/遠坂時臣:速水奨/アーチャー:関智一/言峰綺礼:中田譲治/アサシン:阿部彬名/ケイネス・エルメロイ・アーチボルト:山崎たくみ/ランサー:緑川光/ウェイバー・ベルベット:浪川大輔/ライダー:大塚明夫/雨生龍之介:石田彰/キャスター:鶴岡聡/間桐雁夜:新垣樽助/バーサーカー:置鮎龍太郎
■OP&ED
OP:『to the beginning』Kalafina
ED:『空は高く風は歌う』春奈るな
■公式
Fate/Zero-アニメ公式サイト- / twitter #fatezero
■アバン
信号弾に導かれそれぞれが戦場に……
ライダーとウェイバーの前には黄金の輝きが待ち構える。アーチャー……いや英雄王・ギルガメッシュ!
“恐怖”という感情を受け入れ、それでいて昇華し立ち向かうとは、目に見えるウェイバーの確かな成長ですね。
市民会館に押し入るセイバーの前には……
紅き狂気の瞳が…狂戦士が待ち受ける!!
■Aパート
王の在り方を懸けた戦いを前に杯を交わす征服王と英雄王。あの宴の続きでもあるわけですね。
牛さんを失い宝具は万全ではない征服王ではあるけれど、状態は完璧以上に仕上がっております。あの一見無駄ともいえるウェイバーの令呪三連続使用が、マスターとサーヴァントの信頼のもと共に“勝利”という単純明快な方向を向いてこそ成し得た魔力供給量増大という絶好調状態!(えー
征服王最後の問答はどっちかつーと英雄王への提案ですが。
王の軍勢に王の財宝で武装させ最強の兵団とし、盟友として星々の果てまでの征服って!壮大すぎますイスカンダルさん!!(笑
思い掛けない提案に大笑いの英雄王。こんなギル様なんてそうそう見れないですよね(笑
しかし、王は並び立たず、盟友も“二人目”は必要ないと。あくまで孤高を貫くギルガメッシュ。
王同士の語らいは終わり、己が王道のままに刃を斬り結ぶのみ!!
ウェイバーくんちょいとジェラシーですか(笑
冗談交じりとはいえ「最後に視線を交わす相手」と口にしたライダーにウェイバーが吼える!
朋友として、マスターとして、漢気を見せ始めるウェイバーにイスカンダルは嬉しそうです。
愛馬ブケファラスに跨りウェイバーと共に、アイオニオン・ヘタイロイ(王の軍勢)固有結界発動!
「敵は万夫不当の英雄王――相手にとって不足なし!
いざ益荒男たちよ、原初の英霊に我等が覇道を示そうぞ!」
駆け抜ける一騎当千の英雄達!ただ一人惚れ込んだ漢の為に!!
ウェイバーだって声高らかに戦場を駆けていく!!
一方。
セイバーの激しい剣戟を現代兵器でいなす狂戦士。それは……雁夜の魔力を根こそぎ奪っていく!
しかし、負けるわけにはいかない。桜の為に…桜の為に……桜の為に!!神父は聖杯を渡すと約束したのだから!!
雁夜にとってこの戦いを正当化できる理由はこのひとつだけでしょう。しかし、それさえも破綻している。
……みんなで一緒に遊ぶ?……またお母さんに会える?
桜が望むだろう夢は雁夜が決定的に壊してきたのだから……(南無
雁夜の絶叫が絶望がまるで狂戦士の力となるように見えますね(ぇ
底知れぬ狂戦士の業を前にセイバーも死力を尽くす!交わる白銀の影と暗黒の影!!
風王結界に隠れた剣の間合いを正確に計りまさかの白刃取りの狂戦士!聖剣を侵食される前に蹴り飛ばしやがった(笑
有り得ぬ狂戦士の数々の行動に“縁ある騎士”ではと至るセイバー。単刀直入されど騎士の誇りを掲げて訊いてみた(苦笑
そして……嗤う狂戦士。
その姿は、怨嗟に唸り、啜り泣くように底知れぬ情念を洩らしていく……
纏った闇を潜め顕となった鎧、怜悧に輝く剣、割れた兜から明らかになった素顔……
円卓の騎士がひとり、完璧な理想の騎士であり、アロンダイト(無毀なる湖光)を携え、湖の騎士と呼ばれたアーサー王随一の盟友サー・ランスロット!!
想像だにしなかったその正体に慄き絶望の表情を浮かべるセイバー……素性を知って戦い続けることができるのか!?
■Bパート
狂気の眼が聖なる騎士王を昏く射抜く。狂戦士と堕ちてまで牙を剥く理由は!?
――貴様は臣下を救うばかりで導くことをしなかった
セイバーの脳裏に甦るライダーの言葉。王としての姿を否定された言葉。
「アナタヲソンナニモオイツメテシマッタノカ……?」
まるで「そうだ!」と言わんばかりの怨嗟の声が響き渡る!!
「夢を束ねて覇道を志す……
夢とは須らく醒めて消えるが道理だと」
英雄王は“王の財宝”を開かず、ただ一振りの異形の剣を現界させる。
バビロニアの王が使うそれは――エア!エヌマ・エリシュ(天地乖離す開闢の星)が解き放たれる!!
対軍でも対城でもなく……全てを破壊尽くす対界宝具!
一騎当千の英雄達が成す術もなく飲み込まれていく……次元の狭間に!!
振り返らず突き進む征服王だったが、固有結界は解かれ、王の軍勢は瓦解した……
故に。征服王は最後の朋友に問い掛ける。
「ウェイバー・ヴェルベットよ。臣として余に仕える気はあるか?」
「あなたこそ、ボクの王だ。あなたに仕える。あなたに尽くす。どうかボクを導いてほしい。同じ夢を見させてほしい」
やはりウェイバーがイスカンダルを召喚できたのは必然だったのだと納得する瞬間ですネ。征服王に魅せられるからこそ、同じオケアノスを共有できるからこそ、ですよ。触媒?そんなの超越してるの決まってる(ぉ
だから……だからこそ、ウェイバーを共に死線を潜らせるわけにはいかない。
ブケファラスから下ろし、最後の臣に最初の勅命を下す。最後の朋友に永遠の姿を刻む願いを……
「生きろ、ウェイバー。すべてを見届け、そして生き存えて語るのだ。貴様の王の在り方を。このイスカンダルの疾走を」
征服王の笑顔が漢の生き様を、馬の嘶きが永久の別れを、ウェイバーに告げるように。
ヤヴァイ……既に目頭がアツくて仕方ない!
大きな背中が強大なる敵に向かって駆けて行く――
『彼方にこそ栄え在り(ト・フィロティモ)』
届かぬから挑む!覇道を謳い、覇道を示す!背中を見守る臣下の為に!同じ夢を見る朋友たちに、それが王として導くということ!
征服王の勇姿を、王の在り方を、ただひたすら真っ直ぐに、カケラも残さないよう見届けるウェイバー。
イスカンダルに応える最強のサーヴァント、英雄王・ギルガメッシュ!
王として認めた数少ない相手だからこそ『乖離剣・エア』だけでなく、これも使ったのでしょう……
――エルキドゥ(天の鎖)
征服王が振りかぶりスパタが英雄王に届く刹那!
背後より絡め取られ身動きが取れず、エアが身体を貫く……
“エルキドゥ”の名を冠する宝具を使うまで歩みを止めなかった征服王へ最大限の賛辞を贈る英雄王。
なんせ『俺様』ギル様が、己への再戦を、世界の広さを、示して送ったのだから……
英雄王が残されたウェイバーに静かに歩み寄る。
無慈悲な英霊を前に、その恐怖はこれまでにないほどだったでしょうね。
しかし、最後の臣下として、最後の朋友として、恐怖を呑み込み堂々と答えていく。
「オマエに挑めばボクは死ぬ。それはできない。ボクは『生きろ』と命じられた」
ただ真っ直ぐな眼差しに不屈を湛え揺らがぬ忠義を示して。
「忠道、大儀である。努その在り方を損なうな」
たかが雑種に言葉を交わし、在り方を認め、見逃すとはなぁ。
イスカンダルを認めたからこそ、ウェイバーが値するか見極めたかったのでしょうかね。
なんにしてもやはりギル様も誇りある王ということですよね。
ということで。
涙腺既に決壊済みだってばよ!だからどうした!(号泣
なんか楽しそうな綺礼さんが語っておりますよ。
その目の前に…とうとう切嗣が……
出会ってはいけない二人が遂に出会ってしまったよ!!(汗
あぁそうそう。
セイバーさんが、後悔と慟哭のままに防戦一方追い詰められてるようです(汗
■アイキャッチ
ウェイバーとライダーでした。
Fate/Zero萌え要素が散ってしまいましたぁ……
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
いつもにまして早い30分でした……
ライダーが漢だったのは言うまでもなく、ウェイバーの成長著しく、ギル様もかつてないカッコよさを魅せてくれたなぁって。
決して交わらぬ二人の王の二つの王道。因縁の対決が遂に!
……交わる方法を征服王さんが提案した気もしますが、英雄王さんにはまったく意味のないモノですからね(笑
イスカンダルがウェイバーに魅せた、漢の、王の、在るべき姿。
ギルガメッシュがイスカンダルに魅せた、世界の広さと夢の正体。
ウェイバーがギルガメッシュに魅せた、意志と忠義。
まったくもってFate/Zeroの戦いの中でイチバン痺れる戦いだったと思います。
この3人は三様に、カッコよく、素敵に、魅せてくれたのではないでしょうか。
兎に角、アツくて、自然と涙が滲んできた戦いであったと!
これで終るのもなんなので。
ライダーを絡めとったアーチャーの鎖ことトカトカトカ。
あの宝具はギルガメッシュの秘中の秘の宝具・エルキドゥ(天の鎖)と言うそうです。
作中ギルガメッシュが言っていましたが、彼にはただ一人の朋友がおりました。その名が“エルキドゥ”というのですよね。
即ち、孤高を貫く俺様なギル様が、朋友の名を冠する宝具を使ったということは、朋友といえる英雄達を束ね力とするイスカンダルの王の在り方を認めた証拠といえるのかなぁと思うわけです。
乖離剣・エアという孤高の宝具だけで決着を着けられるところを、朋友と一緒に戦ったようなものだと。
であれば、ギル様にとってイスカンダルは、エルキドゥまでいかなくとも鮮烈な人物であったのだろうと思うのでした。
最後に。
アニメ版ランスロットの描写は原作挿絵を越えたんじゃね!?(汗