Fate/Zero #20の視聴感想です。
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理想郷。
成長。
闇。
過去。
強襲。
令呪を持って我が傀儡に命ず!
■スタッフ
原作:虚淵玄(ニトロプラス)・TYPE-MOON/監督:あおきえい/キャラクター原案:武内崇/キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦/色彩設計:千葉絵美/美術監督:衛藤功二/撮影監督:寺尾優一/3D監督:宍戸幸次郎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:ufotable
■キャスト
衛宮切嗣:小山力也/セイバー:川澄綾子/アイリスフィール:大原さやか/遠坂時臣:速水奨/アーチャー:関智一/言峰綺礼:中田譲治/アサシン:阿部彬名/ケイネス・エルメロイ・アーチボルト:山崎たくみ/ランサー:緑川光/ウェイバー・ベルベット:浪川大輔/ライダー:大塚明夫/雨生龍之介:石田彰/キャスター:鶴岡聡/間桐雁夜:新垣樽助/バーサーカー:置鮎龍太郎
■OP&ED
OP:『to the beginning』Kalafina
ED:『空は高く風は歌う』春奈るな
■公式
Fate/Zero-アニメ公式サイト- / twitter #fatezero
■アバン
工房を訪れた切嗣を迎え入れた舞弥はとても神妙な表情を浮かべて……
土蔵の中には魔法陣の中で力なく横たわるアイリの姿が……もうここまで衰弱してるのか!(哀
「あ――キリツグ、だ――」
理知的な大人っぽさと無邪気な子供っぽさが同居していたアイリだったのに……
この呟きはただの幼い子供のように感じてしまったよ!
■Aパート
舞弥にとって切嗣とアイリは等しく、そして別の意味で失いたくない二人だと思うのです。
そんな二人の最後となるかもしれない会話を聞いているその心情は計り知れないです……
アイリはヒトとしての機能を維持させてきたアヴァロン(全て遠き理想郷)を切嗣に返還することに。
アヴァロンこそが聖杯戦争を勝ち抜く上で必須となる宝具であると理解しているから。それが切嗣の夢に繋がり、イリヤの未来を切り開くと信じて。
「私はね…幸せだよ……」
こんなにも哀しくて、こんなにもあったかく、感謝溢れる言葉をアイリは……
聖杯という道具ではなくヒトとしてのアイリの願いを、切嗣は殺人機械ではなくヒトとして受けたのですね。
切嗣出陣!遠坂邸へ!!
先行したセイバーはライダー陣営を!舞弥は自陣警護を!!
指示を出す切嗣に舞弥は「昔の顔に戻った」と言うけれど。それは喜ばしいことなのか……戦争には必要なことなんだけどさ(汗
それに、表面的にはケイネスたちを葬ったことからも戻ったのかもしれないが、どうなのだろう?
舞弥はもう昔の切嗣には戻れないことを理解しつつ“冷徹な仮面を戦いが終るまで着け続けなさい”と言っているのではないかなぁって。
マッケンジー邸を偵察するセイバーさん。しかしサーヴァントの気配はなく。
その頃ウェイバーはいろいろと買出し中。防寒グッズに栄養ドリンクなどなど。
そして切嗣は暗殺準備中。しかし遠坂邸の結界が喪失している異常事態!
ウェイバーはライダーを召喚した場所で栄養満点鰻玉弁当爆食中!
っていうか「不味い」とはイギリス人のキミには言われたくない!セイバーさんだって日本の食事はお気に入りなんだぞ!(笑
ウェイバーは現界に拘っていたイスカンダルが霊体で過ごしていることで、魔力の著しい消費を察したのですね。そりゃ二日連続でアイオニオン・ヘタイロイ(王の軍勢)を使えば当然です。
貯蔵魔力をも消費しているサーヴァントの気遣いに、マスターであるウェイバーは自分が情けなくて不甲斐無くて仕方ないのでしょうね。
「ボクが始めた戦いだ。ボクが血を流して、犠牲を払って、その上で勝ち上がんでなきゃ、意味がないんだ」
イスカンダルは、自分の想いを見透かし、卑屈な願いではなく漢としての一歩を踏み出そうとしているウェイバーに大きな成長を感じたのだと思います。
そして、ライダーは聖杯への疑問を投げかける。
よりにもよって、己が懐いた壮大な夢“オケアノス”を比喩として。
実体も証明もない聖杯とはいったい何なのか?皆が想い描いているモノなのか?
妄想に踊らされ犠牲者がでるのは我慢ならないようですね。
でも…令呪で結びついたウェイバーが見たイスカンダルが想い描く最果ての海の光景。
ソレは間違いなく征服王が英雄に臣民に見せた(魅せた)遥かなる夢で。
ウェイバーだってもう魅せられてしまった。だから今言えるのはただひとつだけ。
「それでもボクはオマエのマスターなんだぞ」
多分ライダーはウェイバーの虚勢なんてお見通し。でもその意地が嬉しいのでしょうね。
ウェイバーを認めているからこそ次の戦いに備えることができる!
まずはセイバーを相手にする!日中は休息して魔力を回復しゴルディアス・ホイール(神威の車輪)を使えるように。
セイバーは目を覚まさなければならない。征服王として、王として縛られた小娘を開放させたいのですね。
闇!憎悪!怨嗟!嘆きを糧に、光り輝く者たちを呪う……
雁夜に語り掛けるのは……狂戦士!
鎖に繋がれ蟲治療される雁夜。
臓硯は存外頑張り続ける雁夜が面白くて仕方ないらしい(汗
だ・か・ら。
取って置きの蟲を与えてみる。桜の純潔を奪った一匹を!この人外どんだけ外道だよ!!(怒
桜のためにと参加した雁夜にとっては屈辱・憤怒・嫌悪・憎悪に塗れる臓硯の遊びだよなぁ……
所変わって再び衛宮邸の土蔵。
アイリは舞弥に何故切嗣の為に戦うのかを訊いていました。
舞弥の答えは“なにもない”から。家族も何も名前さえも……
『ヒサウマイヤ』という名さえも偽造パスポートに必要だったから切嗣がつけただけ。
でも…だけど……その名前だけだ舞弥の拠り所になったのは間違いないですよね!
■Bパート
舞弥が語る記憶は……この世の地獄の一端。
彼女が体験し、切嗣が見てきた英雄も栄誉も誇りも何もないただの地獄。心を壊され殺人機械としてコストパフォーマンスを証明していくだけ。
カットされてますが舞弥は幼き頃に輪姦され出産し、その子も少年兵として攫われるという経験をしております。さすがに放送できなかったのかなぁ。
そんな舞弥を切嗣が拾った。昔馴染みの機能を維持したままの“生命”であり、だからこそ切嗣に好きなように使われるのが存在意義となる。
逆に舞弥にはアイリが切嗣の為に戦うことが不思議でならなかった。
アイリは、切嗣が願う世界の変革を理解しているとは言えず、切嗣の為に理解者であるフリをしてきたと告白(えー
かといって願いはないのかと問われれば……切嗣とセイバーが聖杯を手にすることを願う。
アインツベルン悲願の第3魔法成就ではなく、切嗣の願いの為に、イリヤの未来の為に!
やはりアイリは人間とかホムンクルスとか関係なく“母親”ですよね!
切嗣の願いが成就したなら舞弥はどうするのか……
舞弥は生き残ることも生きることも考えていないよう。戦いしか知らない自分にはその世界で生きる資格はないと思っているのかもしれません。
アイリは造られた命だから余計に言うのでしょう。本当の名前、血を分けた家族を探す意味を。
そして、対等の立場で言葉を交わせる舞弥に生きていて欲しいと“親友・同志”として感じているのかも。
遠坂邸に侵入した切嗣が見たモノは……
遠坂時臣死亡を確信したようです。
その時、土蔵に侵入者が!すぐさま臨戦態勢に入る舞弥!
そこに現れたのは……ライダー!?
受話器の向こうの異変に切嗣はすぐさま令呪発動!
さすが切嗣、令呪の使用に躊躇なく適切に発動させます。拘りの魔術師達とは違うですネ(ぉ
それにしても……
「令呪を持って我が傀儡に命ず!」
よりにもよって“傀儡”って!ちょいとヒドイよ!!(笑
セイバーが瞬間移動した土蔵は破壊され瀕死の舞弥が!
いや…だから……セイバーが舞弥を心配するのは分からんではないが、令呪を使うほどの緊急事態にノンビリしすぎじゃね!?(汗
あぁ因みに出現した瞬間のポーズがオンナノコっぽかったなぁって(ぉ
外に出て見渡せば視認で切る範囲にライダーの後姿が!
なんというかまるで敢えて姿を見せているように思える逃走っぷりですね。豪胆なライダーとは思えない数々が(ぉ
すぐさまV-MAXに跨り追走するセイバー!さぁ追いつけるのか!?
遠坂邸から駆けつけた切嗣。
まだ息のあった舞弥はライダーのことを伝えて……
「……だめだよ。ないたら……
それは、おくさんのために、とっておいて。……ここでないたら、だめ……あなた、よわいから。いまはまだ……こわれちゃ、だめ……」
切嗣の目尻に堪っていた涙…舞弥の優しさが溢れていて……決して舞弥は切嗣の補助部品だなんてことはないよ!
また切嗣は心の拠り所としていた女性を失ってしまった……そして、また一人を失おうとしている……
やはり切嗣は冷徹に切り捨てていた頃には戻りきれていないのだと思う。
だから涙を堪える。だから壊れてしまう。だから言葉を詰まらせる。だから看取ってしまう……
切嗣の中にある消すことの出来ない優しさを感じてきた舞弥だから……
地獄の現実を身をもって知り、切嗣の中の夢に寄添った舞弥だから……
誰よりもきっとアイリよりも切嗣を理解している舞弥だから……
最後の最後まで壊れて零れ落ちそうな切嗣のキモチを掬い取って背中を押せたのではないだろうか……
■アイキャッチ
切嗣とセイバーでした。
┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛
濃すぎる30分でした!っていうか舞弥がぁ!!(号泣
やはり舞弥の死はキツイなぁ…彼女にはアイリの言うように生きて欲しかった……
それでも、Fate/Zeroという決められた物語の中で“生を全うした”登場人物だったのではないだろうか。
もちろん様々な心残りはあります。いろいろな“if”を考えないわけではない。けれど……
過去を奪われ、未来を創れない一生ではあったけれど、切嗣の遠き理想を傍らに、アイリと対等の同志となれたことは、僥倖だったのではないか。
だからその死に際は満足ではなくとも何処か満ち足りていたと思える。信じた切嗣の腕の中で逝けたのだから…攫われたアイリのことさえ切嗣ならと信じていただろう。
ということで。
舞弥とアイリの会話が比較的多かった今回ですが。
この二人の会話シーンて大好きなんですよね(笑
全く違う立場でありながら、切嗣が嗣いだ奇妙な対等の関係。
それぞれが切嗣の別の弱さを受け止めながら、その根っこでは同じモノを手を取り合いながら支えてる感じ。
アインツベルン城での綺礼戦前に打ち解けてから、アイリも舞弥もすごく魅力を増したと思えます。互いに柔らかくなったというかそんな感じ。
とりあえず誘拐犯ライダーのこと。
あれはライダーとは思えませんよね。背中しか映さないし(ぉ
あの時間帯ならウェイバーと共に回復に努めている最中だし。
つーかウェイバーが御三家本陣ならいざ知らず、急遽決めた衛宮邸の場所まで知っているか疑問。
っていうか、人質なんて策を豪胆なライダーが選択するはずもない。そんなの征服王じゃねー(笑
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