2012年04月29日

■Fate/Zero【第十七話】第八の契約 -47:42:05


Fate/Zero


Fate/Zero #17の視聴感想です。
第1クールの記事はコチラから ⇒ 此方彼方其方 Fate/Zero カテゴリ

回復。
遺言。
会談。
茶番。
刺殺。
お前の采配で幕を引くがいい――



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■スタッフ
原作:虚淵玄(ニトロプラス)・TYPE-MOON/監督:あおきえい/キャラクター原案:武内崇/キャラクターデザイン:須藤友徳・碇谷敦/色彩設計:千葉絵美/美術監督:衛藤功二/撮影監督:寺尾優一/3D監督:宍戸幸次郎/音楽:梶浦由記/アニメーション制作:ufotable



■キャスト
衛宮切嗣:小山力也/セイバー:川澄綾子/アイリスフィール:大原さやか/遠坂時臣:速水奨/アーチャー:関智一/言峰綺礼:中田譲治/アサシン:阿部彬名/ケイネス・エルメロイ・アーチボルト:山崎たくみ/ランサー:緑川光/ウェイバー・ベルベット:浪川大輔/ライダー:大塚明夫/雨生龍之介:石田彰/キャスター:鶴岡聡/間桐雁夜:新垣樽助/バーサーカー:置鮎龍太郎



■OP&ED
OP:『to the beginning』Kalafina
ED:『空は高く風は歌う』春奈るな



■公式
Fate/Zero-アニメ公式サイト- / twitter #fatezero



Fate/Zero17-1

■アバン
綺礼が冬木教会に戻ると血塗れの父・璃正の亡骸が!
彼の心に鎌首を擡げる感情はいったいなんなのか……


Fate/Zero17-2

■Aパート
盟友である璃正が殺されたという報告に耳を疑う時臣。
そんな様子を冷ややかに眺めているギル様。ホントつまらなそうだよなぁ(ぉ
綺礼のことを聖人として疑わなかった璃正は憐れなのか、いやそれが救いだったのか……
父の死に心を占めた感情は悲しみなどではなく“悔しさ”だった。それはギル様の言うように「己の手で殺められなかった」からなのか……(ぇ

土蔵の魔法陣の中で意識を取り戻したアイリ。セイバーはホントに心配していたようですね。
っていうか、アイリが美しくて仕方がない。ただでさえキレイなのに、光で透けて、薄幸病弱要素まで加わってきた!(マテ
それにしてもこの二人の手を取り合う姿は騎士と姫の絵だよなぁ。っていか百合としても……(マテ
そのとき近付いてくるものの気配が……どうやら舞弥のようです。

携えて来たのは遠坂からの共闘の申し入れ。
バーサーカーとライダーの対処に困っている意図は察するが、同時にそれは自分達が舐められているということ。
しかし会談に応じることはイチバン危険な相手“言峰綺礼”への対処となるかもしれない。
「憶えておいて、セイバー。今回の聖杯戦争で、もし切嗣を負かせて聖杯を獲る者がいるとしたら……それは言峰綺礼というという男よ」


Fate/Zero17-3

禅城の屋敷を訪れた時臣。やはり葵は魔術師の妻なんだよなぁ。
父親の姿を見付けてロリ凛は可愛らしく無邪気に喜んでいますね。時臣はフクザツそうな表情を浮かべていますけど。
まるで普通の父親のように娘の頭を撫でながら、口にする言葉は魔術師としてまるで“遺言”のようで……璃正の死が弱気をみせたかなぁ。
手渡された魔導書は遠坂当主への指名の証のようにも見えますね。
その様子を車中で待つ綺礼眼はとても冷たく……(汗
あぁ……ここで才能の話はカットされちゃったんですね……(残念
遠坂時臣という人間を魔術師として父親として計る上で重要な要素だと思うのだけど。


Fate/Zero17-4

アイリたちは遠坂と会談へ。
時臣は綺礼のことを当然の如く表向きの紹介のみで済ませるつもりです(笑
この時点での同盟の趣旨も『外様には聖杯を渡せない』という始まりの御三家として無難なモノを語っております。
アイリは「笑止千万!」とアッサリ斬って捨てたぁ!交渉の主導権を握るようにあくまでも高圧的に譲歩を条件を落とし所を探っていく。
敵の対処の序列……すなわち遠坂とは最後に雌雄を決すること。
提示する条件はふたつ。敵の情報の開示と……言峰綺礼の聖杯戦争からの完全排除!!どう考えてもコッチが本命の条件ですネ(笑



Fate/Zero17-5

■Bパート
「彼を擁するのであれば、我々は金輪際、そちらを信用することは出来ない」
予想外の意思表示のアインツベルン陣営に時臣は少なからず動揺?綺礼は何処吹く風って感じですね(苦笑

会談は終了。表情からも上々の出来だったようですね。
そしてセイバーさんは鋼鉄の騎馬を手に入れた!帰路の安全を先行して確認に向う姿がとても嬉しそうですネ♪
舞弥が運転する車に乗り込んだアイリはとたんに脱力して……(え

ついにアイリスフィールの秘密が語られる時が来てしまいました……
ホムンクルスであるアイリは『聖杯の自己防衛システム』のための擬似人格であること。
ヒトという部分が機能を停止していき、何れはモノに還っていき、話すこともままならなくなる。聖杯戦争の決着が近付くほどに。
故に切嗣はエクスカリバーの鞘『アヴァロン』をアイリに預け、アイリスフィールという人格の停止を防ごうとしていた。決して決して戦いの最中に立つからではなく。
セイバーから魔力供給を受ける宝具故に離れれば離れるほどにその加護は弱まっていく。

「久宇舞弥――あなたなら決して私を憐れんだりしない。きっと私を認めてくれる。……そう思ったから」
果て無き夢を見る男の為に並び立つふたりの乙女。あの深い森で命を懸けて秘めたる想いに触れ合い“同志”となっていたのだと思います。
「マダム、私は――貴女という女(ひと)を、もっと遠い存在と思っていました」
人として生まれ道具として育った舞弥と道具として造られ人として生きたアイリの紛れもない“心”の交わり。もう覆い隠すものは何もなく“親友”となった瞬間だったのではないかと。
舞弥が切嗣以外に…いや切嗣に対してもあまり見せない“感情の動き”の一端をアイリに見せたことも貴重ですネ。

「最後まで貴女をお守りします。だからどうか、衛宮切嗣の為に死んでください。あの人の夢をかなえる為に……」
「ありがとう……」
セイバーにも切嗣にも言うことのないふたりだけの決意。ふたりともカッコよすぎて画が滲んでらぁ!(涙


Fate/Zero17-6

時臣は、綺礼のバックアップよりもアインツベルンとの約定に利を見出したようですね。
身の回りの片付けをしつつもやはり切嗣の存在が気になって仕方のない様子。
煮え切らない綺礼の態度に英雄王が心を擽っておりますが……そんな必要もなく内心では聖杯戦争で遊び続けることを決めてたのね(笑

璃正は今際の際に監督役として遺産の令呪を相続させる為にダイイングメッセージを残していたよう。
渡してはならない人間に数え切れぬ絶対命令権が渡ってしまったですよ!!(汗

自らの心を認めるように“愉悦”への道を歩き出した綺礼。
英雄王はこれまでになく楽しそうに“茶番劇”をワザとらしく演じていきますね。
綺礼も弁えた演者として『聖杯戦争の真実』を語りだす――
聖杯とは7体の英霊の魂を束ねて生贄とし、大聖杯を起動させる儀式。故に勝ち残ったサーヴァントも贄とするには令呪が必ず必要となる。
骨の髄まで魔術師であった遠坂時臣の姿に、英雄王は謀られたことさえも“見所”と初めて認めましたね。全く屈折してやがる(苦笑

ふたりの“茶番劇”はまだまだ続く。
互いに裏切りを誘い、最凶のペアとして惹かれ合っていく……


Fate/Zero17-7

師弟として別れの挨拶を迎えて。
時臣と綺礼は、遠坂と言峰の縁故を約束し、兄弟子として凛のことを託し、もしものときの遺言状を手渡す。
凛のことを話すときの時臣はホント優しい表情になりますよね。
そして、綺礼には見習い終了の証として『アゾット剣』を授与。これで戦いに赴くのに思い残すことがなくなった時臣でしたが……

それが最終的死亡フラグ!!
未練が無いなら死ねばいいじゃないか……とばかりに、口を笑みに歪めた綺礼は時臣の背後からサクッと今受取ったアゾット剣を突き刺す!(唖然
予想だにしなかった事態に、信じられないものを見たように凄い形相で……死!!

そりゃ盟友の子であり代行者でもある愛弟子を前にして、更には最強のサーヴァントを控えさせているのに殺害されるなんて思いもしないでしょうよ!
いきなり息のあった殺害劇を披露してくれた最凶の陣営の誕生に他陣営は成す術があるのか!?



Fate/Zero17-7

■アイキャッチ
見事なまでに裏切った綺礼と真実を見抜けず逝った時臣でした。



┛┛┛┛┛┛┛┛┛┛



2期最初の小休止回と言えるのかな。それでもうっかりな退場者が、が、が!!
遠坂時臣がとうとう退場し、綺礼が表立って裏切り英雄王が茶番を率先して演じてくれました(ぉ
そんなこんなで相変わらずとっても時間が過ぎていくのが早いです。この体感時間は話の内容なんてもう関係ないですネ(笑


今回の話の中でとても残念だったことが二つあります。
それは、魔術の才能についてのコトと切嗣の戦いへの配慮のコトがまるっとカットされていたコト。
できれば完全版としての追加もしくはどこかでソコに触れて欲しいですネ。
遠坂時臣を理解する上で、セイバーが衛宮切嗣を判ずる上で不可欠な描写かと思うのです。


てっきり魔術の才能については描かれると思っていたので、時臣vs雁夜のときは触れませんでしたが少しだけ書いておこうかと。
まず時臣。
彼は決して天才ではなく凡庸であり、必要以上に努力した秀才であったこと。
常に余裕を持って優雅たれ――
その家訓を遵守するのに、妥協せず余裕を持てるだけの修練を積むから、綽々と通過しているように見えただけ。
そして、凛と桜。
凛は全元素・五重複合属性、桜は架空元素・虚数属性。姉妹共に奇跡的な稀有の才能を持って生まれてきました。
魔術の才能は魔性であり、強い魔性はより多くの魔性を呼び寄せる。本人の意思とは別に必然的に条理の外を歩まざるを得ない。
故に魔道を理解しなければ生きられず、魔に対処する術を修めなければならない。しかし家門の加護(魔術刻印)はひとつしかなく、後継者になれずに野に下っても厄災を引き寄せ、いずれ魔術協会や聖堂教会から保護の名の下に命を狙われることになる。

ということで、雁夜のおじさんの行いはすべてが無駄でありどう言い繕っても嫉妬以外の何物でもないのです。
桜を間桐に幼女に出したのも娘の事を思ってのこと。稀有な才能を活かし、魔性から身を守るために。まぁ遠坂の血が聖杯に届く確率を上げたかったというのもあるでしょうけど。
時臣が間桐の魔術の真実を知っていたらどうしていたのか疑問ではありますが……


会談シーンで語られなかった切嗣の準備について。
切嗣は海魔の落下場所を指定したわけですが、それはエクスカリバーの周囲への被害を抑えるためです。
未遠川に進入するはずない大型船舶を配置し、そこに向かい放てるように誘導していました。
セイバーさんはそんな切嗣の苦労など露知らず、これ幸いと放ったわけですが。偉大なる騎士王さんはもし船がなかったらどうしたんでしょうね?(苦笑
さらにはこの船の持ち主にはしっかりと保険が下りているという事実もあります(笑
切嗣はあくまで犠牲は最小限を目指し、最高の効率で最大限の結果を目指しているだけなんですよね。


ちなみに今回の綺礼がギル様とサーヴァント契約したことですが。
こういう事態を防ぐ為にケイネスとソラウまでも殺したわけですね。
逸れサーヴァントと死にそびれたマスターの出会いを完全に潰す為に。
出なければ聖杯戦争は長引き余計な犠牲者が出る確率が上がりますからね。


最後に。
アイリと舞弥の交流シーンが好きでたまりません。
vs綺礼のときも魅了されたけど、今回の二人がより分かり合う姿は涙なくては見れないさ(ぉ
ゼロでは特別な関係性を持つ“ふたり”というのが多く関わるけど、その中でもアイリと舞弥は特異なふたりだなぁって。
主従で好敵手で同志で親友で……理解者で。
モノになっていくアイリを守るという舞弥の言葉は決意であり誓いでもあると思います。切嗣へ向けるものとは異なる……恐らくは初めての“約束”だったのではないかと思うから。


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posted by 露羽 at 06:14| Comment(2) | TrackBack(28) | ■Fate/Zero(終了) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
雁夜を英雄視することに違和感を覚えますが、
卑劣漢扱いにも同じぐらいの違和感を覚えます。
嫉妬が強いのは確かですが、桜を救いたいという気持ちも偽りではないでしょう。
そもそも時臣への復讐がしたいだけなら命を捨ててまで聖杯戦争に参加せずとも、他に復讐の方法はあったはずですから。
おなじように時臣の人格者という認識にも違和感を覚えます。
いえ、確かに人格者なのですが、あくまでそれは彼の魔術師の価値観に依った良識だと思います。世間一般の価値観に大きな齟齬があります。
間桐の魔術に関してはおおむね理解していたと思います。
明らかに間桐の魔術で変化した雁夜を見ても、またその彼から責められても一切動じることがなかったからです。
そもそも本当に娘を思うなら、間桐には渡さず、娘二人に魔術を伝えればいいだけの話です。
最も魔術の特性上、秘術を知る人間が増えれば触れるほど根源から遠ざかりますから魔術ありきの価値観の時臣はそれをしなかったのでしょうけど。
悪く言ってしまいましたが、時臣が娘を思う気持ちも本当だと思います。
楽しみ方はひとそれぞれですが、誰のせいにしても解決しない、誰を擁護しても解決しない、そんなやりきれなさがzeroの真髄だと思います。
時臣は抜けた良い奴、雁夜は嫉妬に狂った悪い奴という認識ではちょっと勿体ない気がしました。
長文失礼いたしました。
Posted by at 2012年04月29日 12:18
ななし さん

雁夜について“嫉妬以外なにものでもない”としたのは言い過ぎだったかもしれませんね。
自分も雁夜の桜を救いたいという気持ちに嘘はないと思います。凛をキャスターから救ったりもしてますし基本的に優しい人なんでしょう。
ただし、彼の目的は桜を救い出すだけではなく、葵も凛も救い出し“普通の家族”として過ごさせること。そこに自分はいても時臣はいません。復讐心はさほど大きくなくとも葵たちの解放には排除すべきであると考えていたでしょうから。
とはいえ、彼は彼で自分が信じた正義を貫こうとしているのも本当だと思います。

時臣についてもただの良い奴とは思っていません。あなたが指摘しているように、あくまで魔術師としての人格者であり世間一般からすれば大きな齟齬があるでしょう。
ただやはり魔導に生きる者として、また父親として娘のことを思っていたことは間違いないかと。
理由は上で書いたことなんですが、強大な才能故に命を狙われ名門の跡継ぎにならないと生きることさえ出来ないということですね。
雁夜の姿の変化も彼の主張も“魔術師”遠坂時臣からすれば、些細な事であり戯言でしょうね。
また間桐の魔術の真の目的は臓硯の不死性のためだったはずで、それは秘中の秘ですから時臣は知らないはずです。桜の蟲風呂もそのための才能を無視した魔改造じゃなかったかなぁ……。

兎に角、勧善懲悪は当てはまらない世界だと思ってます。
持ち上げようとも貶めようとも思っていませんが、どうしてもキャラの好き嫌いはあるので、多少文章に出てしまうのはお許し下さい。
Posted by 露羽 at 2012年05月02日 14:19
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